Claude Code を使い始めようとすると、入口が2つあることに気づきます。ターミナルで claude と打って使う CLI と、Claude のデスクトップアプリにある「Code」タブです。同じ Claude Code のはずなのに、公式の説明を読むと、片方にしかない機能がいくつも出てきます。
そこで、2つの違いと、どちらを選べばよいかを整理しました。このサイトの記事は、Claude Code を「デスクトップアプリ、または CLI」で使う前提で書いています。
機能の名前と条件は、2026年9月30日に Claude Code の公式ドキュメントで確認した内容です。ただし、アプリ上部のタブの構成は、公式ドキュメントの説明ではなく、現在のアプリの画面に合わせて書いています。筆者は2つを並べて操作を比べてはおらず、公式の説明を整理して書いています。機能は更新で変わるので、迷ったときは公式ドキュメントの最新版も見てください。
同じエンジンで動く、入口の違い
公式ドキュメントは、Claude Code はどこで使っても同じエンジンで動き、入口ごとに得意な使い方が違う、と説明しています。CLI はターミナル、デスクトップアプリはグラフィカルな画面で、同じ Claude Code を操作する形です。
デスクトップアプリの中には Claude Code が入っています。そのため、Code タブを使うだけなら、Node.js も CLI も別に入れる必要はありません。
2つは同じパソコンで同時に動かせて、同じプロジェクトを開いていても構いません。なお、デスクトップアプリの上部には Chat と Code の2つのタブがあり、この記事で「デスクトップアプリ」と呼ぶのは、そのうちの Code タブです。Cowork(長めの作業を任せる機能)は、以前の独立したタブから、Chat 画面の入力欄の近くで選ぶ形に変わりました。
指示を読むのはどちらも同じ Claude Code なので、頼み方も変わりません。このサイトの記事にある「Claude への指示の例」は、どちらの入口でも同じように使えます。
機能を一覧で比べる
次の表は、公式ドキュメントの比較表に、導入のしかたと動く環境を足してまとめたものです。
| 項目 | CLI | デスクトップアプリ |
|---|---|---|
| 操作のしかた | ターミナルに文字を打つ | 画面のボタンと入力欄 |
| 動く環境 | macOS 13 以降、Windows 10(1809 以降)、Ubuntu 20.04 以降、Debian 10 以降、Alpine Linux 3.19 以降 | macOS、Windows、Linux(ベータ。Ubuntu と Debian 向け) |
| 導入 | コマンドを1行実行 | インストーラーを実行してサインイン |
| 使えるアカウント | Pro、Max、Team、Enterprise、Console。Amazon Bedrock などの外部プロバイダーも可 | 有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)でサインイン |
| 権限モード | すべて(dontAsk を含む) | Manual、Accept edits、Plan、Auto。Bypass permissions は設定で有効にすると出る |
| 複数のセッション | ターミナルを複数開く | サイドバーのタブ |
| 作業の隔離(Git の worktree) | –worktree フラグ | セッション開始時の「worktree」オプション |
| ファイルの添付 | なし | 画像と PDF |
| @ でファイルを指定 | テキストで入力 | 候補が出る(ローカルと SSH のセッションのみ) |
| MCP サーバー | 設定ファイルに書く | 「コネクタ」の画面、または設定ファイル |
| プラグイン | /plugin コマンド | 管理画面 |
| 定期実行 | cron や CI | 定期タスク(Scheduled tasks)の機能 |
| 画面操作(Computer use) | macOS で /mcp から有効にする | macOS と Windows で、設定の画面から有効にする |
| スマートフォンから依頼(Dispatch) | なし | あり |
| スクリプトや自動化 | –print、Agent SDK | なし |
デスクトップアプリで手軽になること
デスクトップアプリの特徴は、Claude が何をしたかを画面で確かめながら進められることです。主なものは次の5つです。
変更の差分を見て、行にコメントできる
Claude がファイルを変更すると、+12 -1 のように追加と削除の行数が表示されます。クリックすると、ファイルごとの変更が左右に並んだ差分の画面が開きます。
差分の行をクリックするとコメントを書けます。複数の行にコメントを書いてから、まとめて送ると、Claude がコメントに沿って直し、直した結果が新しい差分として表示されます。
画面の「Review code」を押すと、Claude 自身にその差分を見直させることもできます。公式ドキュメントによると、指摘するのはコンパイルエラーや明らかな論理の誤り、セキュリティ上の問題などで、書式や、リンター(コードの書き方を機械的に検査するツール)が拾う点は指摘しません。
動作確認を、ブラウザの画面でしてくれる
Claude は開発用のサーバーを起動して、アプリの中にあるブラウザ画面(Browser pane)で結果を表示します。スクリーンショットを撮ったり、ボタンをクリックしたり、フォームに入力したりして、自分の変更が動くかを確かめ、問題があれば直します。既定では、ファイルを編集するたびにこの確認が走ります。
このブラウザは、普段使っているブラウザとは別の、ログイン情報のない状態で動きます。自分がログインしているサイトを Claude に操作させたいときは、別の機能である Claude in Chrome 拡張機能を使います。
複数の作業を並べて進める
サイドバーの「+ New session」で、別の作業を並行して始められます。Git のリポジトリなら、「worktree」を選ぶと、そのセッション専用のコピーで作業するので、コミットするまでほかのセッションに影響しません。CLI にも --worktree フラグがあり、隔離できる点は同じです。
作業の途中で「これはどういうこと?」と聞きたくなったときは、サイドチャット(/btw)が使えます。セッションの内容を踏まえて答えてくれますが、メインの会話には何も残らないので、作業の流れを崩さずに済みます。
プルリクエストの CI を見守ってもらう
プルリクエストを作ると、セッションに CI(自動テスト)の状況バーが出ます。「Auto-fix」を入れると、失敗したチェックのログを Claude が読んで、直すところまで試します。「Auto-merge」を入れると、すべてのチェックが通った時点で Claude がマージします。
どちらも GitHub CLI(gh)がパソコンに入っている必要があります。Auto-merge を使うには、GitHub のリポジトリ側の設定でも auto-merge を有効にしておく必要があります。
画面操作と、スマートフォンからの依頼
Computer use は、Claude にパソコンの画面を見せて、アプリを開いたりクリックしたりさせる機能です。コマンドや API のないアプリを動かしたいときに使います。今は研究プレビューの段階で、Pro か Max のプランが必要です。Team と Enterprise では使えません。
Dispatch は、スマートフォンの Claude アプリから作業を頼むと、パソコンのデスクトップアプリに Code のセッションができる機能です。こちらも Pro か Max のプランだけで使えます。
補足:macOS だけの機能もある
Computer use は、macOS ではバックグラウンドで動かせます。iOS のアプリを動かして確かめる専用の画面(iOS Simulator)も、macOS 向けです。Linux 版のデスクトップアプリは、今はまだ Computer use に対応していません。
CLI でしかできないこと
CLI にしかないもの、CLI のほうが素直に使えるものは、公式ドキュメントでは次のように整理されています。
- スクリプトや自動化:
claude --printは、対話せずに1回だけ実行して結果を受け取る使い方です。自分のプログラムから Claude Code を呼び出す Agent SDK もあります。デスクトップアプリは対話専用で、どちらも使えません。 - 外部プロバイダーへの直接の接続:CLI は、Amazon Bedrock、Google Cloud の Agent Platform、Microsoft Foundry を通して Claude Code を使えます。デスクトップアプリは、標準では Anthropic の API につながります。外部プロバイダーで使うには、ゲートウェイを経由するか、Code タブを外部プロバイダー上で動かす「Claude Desktop on 3P」を使います。
dontAskモード:確認なしで使うツールを事前に決めておき、それ以外は自動で断る権限モードで、CLI だけにあります。- エージェントチーム:チームのリーダー役の Claude が、共有のタスク一覧をもとにメンバー役の Claude に仕事を割り振る機能は、CLI にしかありません。1つのセッションの中で複数のエージェントを動かす「動的ワークフロー」は、デスクトップアプリでも使えます。
- ターミナル向けの対話コマンド:
/permissionsのように、ターミナルに操作パネルを開くコマンドは、デスクトップアプリでは「この環境では使えません」と返ります。/configは設定の画面を開きますが、/config theme=darkのように続けて書いた内容は無視されます。権限のルールなどは、設定ファイルを直接書き換えるか、CLI から操作します。
そのほか、--allowedTools のようにセッションごとに使えるツールを絞るフラグには、デスクトップアプリに対応するものがありません。ただし、設定ファイルに書いた権限のルールは、デスクトップアプリでもそのまま守られます。
筆者は、個人でサイトやブログを作る使い方なら、この節の機能をすぐに使う場面は少ないと考えています。外部プロバイダーは多くの場合、会社の契約で決まる話ですし、スクリプトや Agent SDK は、Claude Code を自分の仕組みに組み込むときの機能だからです。
2つを行き来するとき、共有されるもの
デスクトップアプリと CLI は、同じ設定ファイルを読みます。次のものは、どちらで使っても同じように効きます。
- プロジェクトの
CLAUDE.md(Claude に読ませるプロジェクトの説明書)とCLAUDE.local.md ~/.claude.jsonと.mcp.jsonに書いた MCP サーバー(外部のサービスを Claude Code につなぐ仕組み)- 設定に書いたフック(決まったタイミングで動かす処理)とスキル
~/.claude/settings.jsonの権限のルール- 使えるモデル
共有されないのは、セッションの一覧です。それぞれが自分の一覧を持っています。
補足:デスクトップアプリで設定した MCP サーバーは、CLI から見えないことがある
デスクトップアプリの Chat 画面で使う設定ファイル claude_desktop_config.json の MCP サーバーは、デスクトップアプリの Code タブでは使えますが、CLI は読みません。macOS と WSL では、claude mcp add-from-claude-desktop で ~/.claude.json に取り込めます。
作業の途中で入口を変えたいときは、セッションごと引き継げます。
# ターミナルで実行する。セッションを保存してデスクトップアプリで開き、CLI は終了する
/desktop/desktop は、macOS と x64 の Windows で、Claude のサブスクリプションでサインインしているときだけ使えます。API キーでの利用や、Amazon Bedrock などの外部プロバイダー経由では使えません。
反対に、CLI で始めたセッションをデスクトップアプリで続けるときは、ターミナルのセッションを閉じてから、デスクトップアプリの入力欄に /resume と入力します。CLI で始めたセッションの一覧が出るので、続けたいものを選びます。同じセッションをそのまま続けるので、あとで CLI から claude --resume としても見つかります。
使い分けは必要か
両方を使い分ける必要はありません。同じエンジンで、設定も引き継げるので、まずどちらか一方で始めて、困ったら乗り換えれば間に合います。公式ドキュメントも、迷ったら CLI を入れて試す、ターミナルを使いたくなければデスクトップアプリを使う、という案内にとどめています。
選ぶ目安は次のとおりです。
| 状況 | 始めやすいほう | 理由 |
|---|---|---|
| ターミナルを使ったことがない | デスクトップアプリ | インストーラーとサインインだけで始められ、変更の差分も画面で確かめられる |
| ターミナルに慣れている | CLI | コマンド1行で入り、いつもの端末の中で使える |
| 変更を1つずつ確かめて、コメントで直させたい | デスクトップアプリ | 差分の画面で、行ごとにコメントを付けられる |
| 複数の作業を同時に走らせたい | デスクトップアプリ | サイドバーで切り替えられ、worktree で作業を分けられる |
| スマートフォンから作業を頼みたい | デスクトップアプリ | Dispatch を使える(Pro か Max のプランが必要) |
| 決まった処理をスクリプトや CI から自動で動かしたい | CLI | –print と Agent SDK が使える |
| 会社の契約で Amazon Bedrock などを使う | CLI | 外部プロバイダーにそのまま対応している |
筆者は、このサイトを読んでいる人なら、まずデスクトップアプリで始めるのが無難だと考えています。サイトを作る作業では、Claude が何を変えたかを差分で確かめたり、作ったページをブラウザの画面で見たりする場面が多いからです。公式が迷ったら CLI を案内しているのとは逆の意見です。ただし、これは差分の確認を重視する人に向けたもので、ターミナルに慣れていて、ふだんの作業環境から離れたくない人には CLI のほうが合います。
補足:ほかにも入口がある
Claude Code には、この2つのほかに、VS Code と JetBrains のエディターに組み込んで使う拡張機能、ブラウザから使う Web 版、スマートフォンのアプリ版があります。Web 版はクラウドで動くので、パソコンを閉じても作業が続きます。デスクトップアプリでも、環境を「Cloud」にして始めれば、クラウドで動かせます。
それぞれの始め方
デスクトップアプリは、Pro、Max、Team、Enterprise のいずれかのプランでサインインして使います。CLI は、従量課金の Console アカウントでも使えます。claude.ai の無料プランでは、どちらも Claude Code は使えません。
デスクトップアプリの場合
- Claude のダウンロードページ(claude.com/download)から、自分の OS のインストーラーを入れて実行し、Anthropic のアカウントでサインインする
- 画面上部の「Code」タブを開く(有料プランの案内が出たら、先にプランに加入する)
- 環境で「Local」を選び、「Select folder」で作業するフォルダを選ぶ
- モデルと権限モードを選び、入力欄に頼みたいことを書いて Enter を押す
Git は、worktree でセッションを分けるときに必要です。Windows で古い版のアプリ(1.49585.0 より前)を使っている場合は、worktree を使わなくても、ローカルのセッションを始める前に Git を求められます。その場合は、アプリを更新すると解消します。
CLI の場合
macOS、Linux、WSL では、ターミナルで次のコマンドを実行します。
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bashWindows の PowerShell では、次のコマンドです。
irm https://claude.ai/install.ps1 | iex- 上のコマンドで Claude Code を入れる
- ターミナルを開き直して、
claude --versionでバージョンが表示されるか確かめる - 作業するフォルダで
claudeを実行し、ブラウザでのサインインの案内に従う
このインストール方法(ネイティブインストール)は、自動で最新版に更新されます。Homebrew や WinGet で入れた場合は自動では更新されないので、自分で更新のコマンドを実行します。
Windows では、Git for Windows を入れなくても CLI は動きます。入れていない場合、Claude Code は PowerShell をシェルとして使います。入れておくと、Git Bash を使って動くようになります。
注意点:デスクトップアプリは、シェルの環境変数をすべては引き継がない
Windows のデスクトップアプリは、ユーザーとシステムの環境変数は引き継ぎますが、PowerShell のプロファイルは読みません。ターミナルでは動く npm や node がデスクトップアプリで見つからないときは、まずアプリを再起動してください。それでも解消しない場合は、入力欄の環境のメニューから、ローカル環境の変数を設定する画面を開いて追加します。
違いのまとめ
Claude Code の中身は、デスクトップアプリも CLI も同じです。差分の確認、ブラウザでの動作確認、Dispatch といった画面まわりの機能はデスクトップアプリにあり、スクリプトからの呼び出しや外部プロバイダーの利用は CLI にあります。
設定ファイルと CLAUDE.md は共有され、/desktop と /resume でセッションも引き継げます。最初は、ターミナルに慣れていれば CLI、慣れていなければデスクトップアプリを選び、困ったら乗り換えてください。
どちらの入口から始めるにしても、Claude Code でサイトを作って公開するところまでの流れは、次の記事にまとめています。
Claude Code でサイトを作って公開するClaude Code と Cloudflare でサンプルサイトを公開するまでClaude Code への1つの指示でサイトを生成し、GitHub 経由で Cloudflare Workers へ無料公開する最短手順と設定の勘所を解説します。