Cloudflare Workers で公開したサイトは、デフォルトでは https://mysite.<サブドメイン>.workers.dev という URL でアクセスできます。本格的に運用するなら独自ドメインで公開したいところですが、まだドメインを持っていない場合は、まずどこで取得するかを決める必要があります。

その有力な選択肢となるのが、Cloudflare 公式のドメイン登録サービス Cloudflare Registrar です。サイトのホスティング環境とドメインの管理元が同じ Cloudflare にまとまるため、他社で取得する場合に必要な設定手順をいくつか省けます。しかも、ドメイン事業者(レジストラ)の中間マージンが上乗せされない原価価格で提供されているため、費用を安く抑えやすいのも大きなメリットです。

料金体系や対応ドメイン、取得手順は、2026年9月16日時点の Cloudflare 公式サイトおよびドキュメントの情報に基づいています。管理画面の UI も2026年9月時点のものです。なお、取得手順は筆者が実際に購入した実績ではなく、Cloudflare の公式ドキュメントで案内されている標準的なフローに沿ってまとめています。

本記事は、Cloudflare Workers でサイトをすでに公開している方を前提としています。まだ準備ができていない場合は、先に以下の記事をチェックしておくとスムーズです。

前提の記事Claude Code と Cloudflare でサンプルサイトを公開するまでClaude Code への1つの指示でサイトを生成し、GitHub 経由で Cloudflare Workers へ無料公開する最短手順と設定の勘所を解説します。

原価価格で取得でき、Cloudflare 側の初期設定も不要

独自ドメインで Web サイトを公開・運用するには、大きく分けて3つの役割が必要です。「ドメインの登録先(レジストラ)」「DNS レコードの管理先(ネームサーバー)」「サイトを配信するサーバー(Workers)」です。他社でドメインを取得すると、これらが複数のサービスに分かれてしまいます。

必要な対応他社で取得する場合Cloudflare で取得する場合
ドメインの登録・更新料の支払い先各レジストラCloudflare
Cloudflare へのドメイン追加必要不要(自動登録)
ネームサーバーの変更(切り替え)必要(反映待ちが発生)不要(最初から設定済み)

ネームサーバーの変更と、反映待ちの手間がない

違いがはっきりと出るのが、表の真ん中にある2つの項目です。Cloudflare の公式ドキュメントにも記載がある通り、Cloudflare Registrar で取得したドメインは、最初から Cloudflare のネームサーバーを使用するように設定されています。そのため、取得した時点で Cloudflare 側の受け入れ準備が完了しており、すぐに Workers への割り当て作業へ進むことができます。

一方、他社でドメインを取得した場合は、「Cloudflare ダッシュボードにドメインを追加し、取得元の管理画面でネームサーバーを Cloudflare の指定アドレスに書き換え、DNS が世界中に浸透するのを待つ」という手順を踏む必要があります。この反映待ち時間は、ドキュメント上でも最大24時間程度かかると案内されています。

筆者も別ドメインでこの切り替え作業を行ったことがありますが、ダッシュボードに「レジストラが新しいネームサーバーを伝播するのを待っています」と表示されたまま、しばらく次の作業に進めないことがありました。「ネームサーバーを今すぐ確認」ボタンを押してもすぐにステータスが変わるわけではなく、ひたすら待つしかありません。Cloudflare でドメインを取得すれば、このやきもきする待ち時間が丸ごとなくなります。

レジストラの利益(中間マージン)が上乗せされない

通常、ドメインの料金体系は「レジストリ」と「ICANN」という2つの組織へ支払う費用で構成されています。

  • レジストリ.com.dev などのトップレベルドメイン(TLD)ごとに、大元の台帳を一括管理している組織です(例:.com のレジストリは Verisign 社)。
  • ICANN:世界中のドメイン名や IP アドレスの割り当てルールを管理・調整している国際的な非営利団体です。ドメイン登録1件ごとに少額の手数料(ICANN Fee)が発生します。

普段私たちがドメインを購入している事業者はレジストラと呼ばれ、上記2組織に費用を支払った上で、自社の利益(マージン)を上乗せして販売しています。しかし、Cloudflare Registrar はこの上乗せを一切行いません。公式サイトでも「新規登録・移管・更新の価格は、レジストリおよび ICANN から Cloudflare に請求される金額と同等、またはそれ以下である」と明記されています。

つまり、利用者が支払う金額は、実質的な「ドメインの原価」そのままになります。原価は公開されており、たとえば .com のレジストリ料金は年間10.26ドルです(※Verisign の2026年第1四半期の発表によると、2026年11月1日より10.97ドルへ改定予定)。

注意点:初年度の安さだけで比較しない

国内のレジストラでは、初年度のみ「1円」など大幅な割引キャンペーンを実施しているケースがよくあります。単年だけ見ると他社のほうが安く見えることもあります。

しかし、注目すべきは2年目以降の更新費用です。Cloudflare は利益を上乗せしない代わりに、初年度の大幅割引も行いません。サイトを何年間運用するかを想定し、トータルコストで比較することをおすすめします。

WHOIS プライバシー保護と DNSSEC が標準搭載

WHOIS は、ドメインの所有者情報(氏名、住所、連絡先など)を誰でも照会できるインターネットの公開データベースです。個人の名義でドメインを取得した場合、自宅の住所や電話番号がそのまま世界中に公開されてしまうリスクがあります。

Cloudflare Registrar では、WHOIS の個人情報がデフォルトでマスキング(非公開)されます。国内レジストラでいう「WHOIS 情報公開代行」にあたる機能が、追加料金なしで標準適用されます。

さらに、DNS の応答内容が通信経路で改ざんされていないかを検証・保護する DNSSEC も無料で利用可能です。

補足:すでに他社でドメインをお持ちの場合

すでに他社で取得済みのドメインを Cloudflare Workers で利用する手順は、別記事で詳しく解説しています。ドメイン自体を Cloudflare に移管しなくても、ネームサーバーを Cloudflare に向けるだけで Workers と接続可能です。取得元のサーバーでメール運用を維持したままWebサイトだけ切り替える方法も紹介しています。

あわせて読むCloudflare Workers で独自ドメインを使うには?ムームードメインのまま、メールはエックスサーバーに残す方法ムームードメインで取得してエックスサーバーで使っているドメインを、Cloudflare Workers のサイトにつなぐ方法を解説します。ドメインは移管せず、メールはエックスサーバーのまま使い続けるための DNS レコードの写し方と、www なしで公開する設定まで紹介します。

取得できるドメイン・対応していないドメイン

Cloudflare 公式サイトの対応 TLD(トップレベルドメイン)一覧を確認すると、2026年9月時点で400種類以上(403種類)に対応しています。Webサイトで一般的に使われる主要なドメインは一通りカバーされています。

  • 汎用ドメイン:.com.net.org
  • Webサービス・ブログ向け:.dev.app.page.blog.site.online.store
  • テック・スタートアップ系:.io.ai.cloud.tech.link.me

一方で、日本国内で馴染みのあるドメインの一部には対応していません。特に以下のドメインは取得できないため注意が必要です。

  • .jp.co.jp などの日本向け国別ドメイン(ccTLD)
  • .tokyo などの地域ドメイン

注意点:.jp ドメインは Cloudflare Registrar で取得できません

.jp.co.jp を利用したい場合は、国内のレジストラで取得する必要があります。ただし、他社で取得した場合でも Cloudflare Workers での利用には全く支障ありません。ドメインの管理元はそのままで、ネームサーバーのみを Cloudflare に設定すれば Workers のサイトに接続できます。詳しい手順は別記事をご参照ください。

また、日本語ドメイン(example.日本 などの国際化ドメイン名 / IDN)にも対応していません。

なお、ドメインの登録料金は TLD の種類によって大きく異なります。Cloudflare 公式サイト上には全ドメインの一覧表は用意されていませんが、ダッシュボードの検索画面で希望の文字列を入力すると、リアルタイムで正確な年間費用が表示されます。いくつか候補を出した上で、検索画面で価格を比較してみるとスムーズです。

ドメインを取得する手順

ドメインの取得手続きは、Cloudflare ダッシュボードからすべてオンラインで完結します。事前準備として、Cloudflare アカウントのメールアドレス確認(認証)が完了していること を確認しておきましょう。

  1. Cloudflare ダッシュボードの左メニューから「ドメイン」を開き、「ドメインを追加」をクリックする

  2. メニューから「ドメインを購入」を選択する

  3. 検索バーに取得したいドメイン名を入力し、空き状況を検索する

  4. 候補一覧から取得したいドメインを選び、購入手続きへ進む

  5. 登録期間を選択する(1年単位、最長10年まで一括指定可能)

  6. 登録者の連絡先情報(Whois 情報)を入力する。※日本語(漢字・ひらがな)は使えないため、住所や氏名はローマ字(アルファベット)で入力します

  7. 支払い方法(クレジットカードまたは PayPal)を選択し、利用規約に同意して購入を確定する

※管理画面の UI や遷移順はアップデートによって多少変わる場合があるため、実際の画面の案内に従って進めてください。ドキュメントによると、購入確定から登録完了までは通常30秒ほどです。完了後はドメインの管理画面へ遷移し、連絡先情報の変更、自動更新の切り替え、契約期間の延長などが設定できます。

なお、入力した連絡先情報は WHOIS データベースに登録されますが、前述の通りデフォルトでプライバシー保護(マスキング)が適用されます。だからといって架空の情報を入力するのは規約違反となるため、必ず実在する正確な住所・連絡先をローマ字で入力してください。

日本語の住所を英語(ローマ字)表記に変換する

英語の住所表記は、日本語とは逆に「番地 → 市区町村 → 都道府県 → 郵便番号」の順で並べます。建物名や部屋番号をどの入力欄(Address Line 1 / 2)に割り振るべきか迷いやすいため、AI(Claude 等)に変換してもらうと手軽で確実です。

Claude への指示プロンプト例
次の日本語の住所と電話番号を、英語(国際標準)の住所表記に変換してください。ドメイン登録時の連絡先入力フォームにそのまま貼り付けて利用します。

〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目2番3号 サンプルビル4階
03-1234-5678

- すべて半角 ASCII 文字で出力し、漢字・ひらがな・カタカナ・全角文字を含めないでください
- 一般的なフォームに合わせて、以下の項目ごとに分けて出力してください
- Address line 1(番地など)
- Address line 2(建物名・階数・部屋番号)
- City(市区町村)
- State / Province(都道府県)
- Postal code(郵便番号)
- Country(国名)
- Phone(+81 から始まる国際電話表記。市外局番の先頭 0 は省略)
- 「丁目・番・号」の変換ルールを1行で補足してください
- 表記揺れ(複数の英訳候補)がある項目は候補を併記してください

住所と電話番号を自身の情報に置き換えてプロンプトを実行してみてください。生成された結果は、少なくとも「番地の数字」と「郵便番号」が元の情報と一致しているかダブルチェックしておくと安心です。ここを誤ると、ドメインの登録情報に誤った住所が登録されてしまう原因になります。

決済完了後のキャンセル・返金は不可

Cloudflare の公式 FAQ にも記載の通り、一度確定したドメイン登録料は返金されず、更新の取り消しもできません。スペルミスなどの誤入力があっても購入後の変更はできないため注意が必要です。

また、ICANN の規定により、新規登録から60日間は他社レジストラへの移管(トランスファー)が禁止されています。取得直後にすぐ別事業者へ移すことはできないため、一定期間 Cloudflare で運用する前提で検討してください。

購入確定前のセルフチェックリスト

  • ドメイン名のスペル(綴り)に打ち間違いがないか、1文字ずつ再確認した
  • 表示価格が「年間費用」か「選択した年数の合計額」かを確認した
  • 登録期間(年数)が意図通りの設定になっている
  • 登録者情報(住所・連絡先)が正確なローマ字表記になっている
  • 取得後60日間は他社への移管ができない仕様を把握している

取得したドメインを Worker に割り当てる

ドメインの購入が完了した時点で、Cloudflare のアカウント内にそのドメインの DNS 設定(ゾーン)が自動で生成されます。ネームサーバーの変更や反映待ちの時間は一切不要なので、そのまま Worker へのバインド(割り当て)に進めます。

GitHub と連携して公開しているサイトなら、設定ファイルである wrangler.toml に直接記述するのが最も安全で確実です。Wrangler を利用する場合、Cloudflare の公式ドキュメントでも設定ファイルを正(Single Source of Truth)として管理することが推奨されています。Web ダッシュボード側で設定を変更してしまうとリポジトリ側の設定と不整合が起きるため、変更は設定ファイルに一元化しておきましょう。

wrangler.toml(追加する設定)
[[routes]]
pattern = "example.com"
custom_domain = true

あわせて、サイト内のコードに記述されているサイト URL も、このタイミングで取得した独自ドメインへ書き換えておきます。これにより、公開完了と同時にすべてのリンクやメタデータが整合します。

Claude への指示プロンプト例
Cloudflare Registrar で取得した example.com を、この Workers サイトに割り当てます。

- wrangler.toml に example.com をカスタムドメイン(custom_domain = true)として追加してください(www は含めません)
- astro.config.mjs の site 設定など、サイトの URL が記述されている箇所をすべて探し、https://example.com に書き換えてください
- 書き換えるファイルと箇所の一覧を事前に提示し、確認を取ってから変更してください
- ビルドが正常に通ることを確認した上で、GitHub に push してください

公式ドキュメントによると、カスタムドメインを設定すると、必要な DNS レコードの登録と SSL/TLS 証明書の発行は Cloudflare が自動で処理してくれます。変更を push してデプロイが終わったら、Worker の管理画面(「設定」→「ドメインとルート」)に example.com が表示されているかを確認します。ブラウザから https://example.com にアクセスし、サイトが正常に開けば完了です。

補足:www 付きの URL(www.example.com)にも対応したい場合

カスタムドメインの設定は、指定した完全修飾ドメイン名(FQDN)にのみ適用されます。そのため、example.com を割り当てただけでは www.example.com からのアクセスは Worker に繋がりません。www からのアクセスを apex ドメイン(example.com)へ転送(リダイレクト)させる手順は、別記事の「www からのアクセスを example.com に転送する」にて詳しく解説しています。

ドメイン取得後に確認・設定しておくべきこと

ドメインの自動更新は、デフォルトで有効に設定されています。ドメインは有効期限が切れると失効し、第三者に再取得されてしまう危険があるため、サイトを継続運用する予定であれば自動更新のままにしておくのが安全です。なお、支払いに利用しているクレジットカードを更新・変更した際は、決済情報の再登録を忘れないように注意してください。

独自ドメイン宛のメール受信について

Cloudflare Registrar はドメイン登録サービスであり、メールボックス(送受信サーバー)の機能は含まれていません。そのため、info@example.com のような独自ドメインのメールアドレスを使いたい場合は、別途対応が必要です。

手軽な方法として、Cloudflare が提供している無料機能「Email Routing」があります。これを使えば、独自ドメイン宛に届いたメールを普段利用している個人アドレス(Gmail など)へ自動転送できます。「メールを受信できれば十分」という用途であれば、この機能だけで事足ります。一方、独自ドメインを使ってメールを送信したい場合は、Google Workspace や外部のメールサーバーなどを別途契約する必要があります。

サイト内 URL や SEO 設定の最適化

Astro で構築されたサイトの場合、astro.config.mjssite 設定をもとに、canonical URL、OGP 画像、RSS フィード、サイトマップなどの URL が自動生成されます。公開後はページの HTML ソースを開き、<link rel="canonical">og:image の URL が新しい独自ドメインに正しく切り替わっているか確認しておきましょう。

なお、割り当て後もデフォルトの *.workers.dev という URL はアクセス可能な状態で残ります。この初期 URL を無効化したい場合は、wrangler.tomlworkers_dev = false を追記します。ただし公式ドキュメントによると、workers_dev を無効にするとブランチごとのプレビュー URL も標準では生成されなくなります。開発時にプレビュー環境を活用している場合は、あわせて preview_urls = true を設定しておくと安心です。

まとめ

これからドメインを新規取得してサイトを公開する場合、以下のステップで進めると迷わずに進められます。

  1. 希望のドメイン名を決め、.jp が必要かを検討する.jp 系が必要なら国内レジストラで取得し、ネームサーバーのみ Cloudflare に向けます。
  2. .com.dev などで問題なければ Cloudflare で検索・価格確認する:運用予定年数を考慮し、更新費用を含めたトータルコストで比較・検討します。
  3. スペルミスがないか十分に確認して購入する:確定後の返金や変更はできないため、1文字ずつ慎重に確認します。
  4. wrangler.toml にカスタムドメインの設定を追記して push する:設定ファイルに記述して反映するだけで、DNS や SSL も自動構成されます。

Cloudflare Registrar を活用する最大の魅力は、「コスト削減」と「初期設定の簡略化」の2点です。レジストラの中間マージンが乗らないため、長期運用するほど他社との価格差が大きなメリットになります。さらに、取得と同時にネームサーバーが設定されるため、他社で必要な「ドメイン追加・ネームサーバー変更・DNS 反映待ち」といった手間を一切かけずにスムーズな運用を始められます。

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