独自ドメインを Cloudflare Workers のサイトに割り当てると、そのドメインで開くページは Worker のサイトに変わります。エックスサーバーで WordPress のブログを動かしてきた人にとっては、これまで書いた記事が https://example.com/ で読めなくなる、ということです。
記事を残したいなら、独自ドメインを Worker に渡す前に、ブログをサブドメインへ移しておきます。example.com のブログを blog.example.com に移してしまえば、独自ドメインは Worker のサイトに使いながら、過去の記事はこれまでどおり読めます。
筆者が試したのは、「WordPress簡単インストール」で設置したブログを、同じ画面のコピー機能で複製したケースです。手順と画面の名前は、2026年9月16日にエックスサーバーのマニュアルで確認した内容です。画面は2026年9月時点のものです。
この記事は、独自ドメインを Cloudflare Workers に移す前の準備にあたります。移す手順そのものは、次の記事にまとめています。
次に読むCloudflare Workers で独自ドメインを使うには?ムームードメインのまま、メールはエックスサーバーに残す方法ムームードメインで取得してエックスサーバーで使っているドメインを、Cloudflare Workers のサイトにつなぐ方法を解説します。ドメインは移管せず、メールはエックスサーバーのまま使い続けるための DNS レコードの写し方と、www なしで公開する設定まで紹介します。
ブログの引っ越し先にサブドメインを選ぶ理由
Worker に割り当てられるのは、入力したホスト名だけです。example.com を Worker に渡しても、blog.example.com はエックスサーバーを指したまま残せます。エックスサーバーの契約はメールのために続けるので、ブログの置き場所として使い続けても、かかる費用は変わりません。
移す前と移したあとを並べると、次のようになります。
| 項目 | 今 | 移したあと |
|---|---|---|
| ブログの URL | https://example.com/ | https://blog.example.com/ |
example.com で開くもの | WordPress のブログ | Worker のサイト |
| WordPress の置き場所 | エックスサーバー | エックスサーバー(変わらない) |
| メール | エックスサーバー | エックスサーバー(変わらない) |
やることは2つです。エックスサーバーでサブドメインを設定し、そこへ WordPress をコピーします。どちらもサーバーパネルの中の作業で、example.com で開くサイトには影響しません。
補足:ネームサーバーを Cloudflare に変える前に済ませておく
この作業は、独自ドメインの DNS をエックスサーバーが管理しているうちに済ませておくと楽です。サブドメインを追加すれば、エックスサーバーが自分で名前解決の設定まで行うので、ほかの画面を触る必要がありません。無料独自 SSL も、そのまま発行されます。
ネームサーバーを Cloudflare に変えたあとでも移せますが、その場合はサブドメインが名前解決できるように、Cloudflare 側にレコードを作る必要があります。詳しくは独自ドメインの記事の「あとからエックスサーバーにサブドメインを追加する場合」を読んでください。
エックスサーバーでサブドメインを追加する
先に、サブドメインの名前を決めます。ブログの内容がそのまま移るので、blog のように中身が分かる名前が扱いやすいと筆者は考えています。old のような名前にすると、読者から見たときに「古い情報が置いてある場所」に見えてしまいます。
決めたら、サーバーパネルで追加します。
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サーバーパネルで「サブドメイン設定」を開く
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「+サブドメインを追加」をクリックする
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サブドメイン名(
blogの部分だけ)を入力する。「無料独自SSLを利用する」のチェックは、付けたままにする -
「追加する」をクリックする
追加すると、FTP の public_html フォルダの下に、サブドメイン名のフォルダが作られます。ここが、このあとコピーする WordPress の置き場所になります。
ただし、追加した直後はまだ使えません。一覧の「設定状況」に「反映待ち」と表示されます。
しばらく置いてから一覧を開き直すと、「正常」に変わります。こうなれば、サブドメインの URL でアクセスできる状態です。
注意点:「正常」になってから次に進む
マニュアルに書かれている目安は、新サーバーパネルが「半日程度かかる場合があります」、旧サーバーパネルが「最大で1時間程度かかります」です。
「反映待ち」のまま次の手順に進むと、コピーしたブログを開いて確かめられません。「正常」に変わったのを見てから進みます。
補足:無料独自 SSL が追加できなかったと表示されたとき
対象ドメインの状況によっては、サブドメインは追加できても、無料独自 SSL の追加に失敗することがあります。その場合は、追加完了の画面に「無料独自SSL設定が追加できなかった」というメッセージが出ます。
あとからサーバーパネルの「SSL設定」で追加し直せます。無料独自 SSL を設定する条件は、マニュアルによると「対象ドメインの『www あり/なし』両方の A レコードが、契約サーバーを参照している」ことです。ネームサーバーを Cloudflare に変えたあとで失敗する場合は、Cloudflare 側のレコードがエックスサーバーを指しているかを先に確かめてください。
WordPress をサブドメインにコピーする
ここからは「WordPress簡単インストール」の画面で作業します。コピーできるのは、この画面の「インストール済みWordPress一覧」に載っているブログです。
FTP で手動インストールした WordPress は、この一覧に出てきません。エックスサーバーのマニュアルによると、「その他のWordPressを一覧に追加」でインストールパスを入力して追加すれば、サイトコピーなどの機能が使えるようになります。ただし筆者が試したのは簡単インストールで設置したブログなので、追加してからコピーするところまでは確かめていません。
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サーバーパネルで「WordPress簡単インストール」を開き、対象のブログの「詳細」をクリックする
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開いた枠の左下にある「+コピー」をクリックする
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「コピー対象」で「全て」を選ぶ。初期値のままでかまわない
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「コピー先URL」のドロップダウンから、追加したサブドメインを選ぶ。右側の入力欄は空欄のままにする
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「コピーする」をクリックする
「コピー対象」の「テンプレートのみ」は、画像と記事を含まずにテーマだけを複製する選択肢です。記事を残したいので「全て」を選びます。
注意点:コピー先URL の右側の欄は空にしておく
マニュアルでは、コピー先 URL の初期の形を「お客様のドメイン名/wp」と説明しています。そのまま進めると、ブログは https://blog.example.com/wp/ に置かれます。
サブドメインを開いたらすぐブログが出てくる形にしたいなら、右側の欄を空欄にします。マニュアルにも「[http://お客様のドメイン名]にて、お客様のWordPressにアクセスを希望する場合は[wp]の部分を空欄としてください」と書かれています。
注意点:コピーされないものがある
コピー機能の制限は、マニュアルに2つ挙げられています。1つは、一部のバックアップ関連プラグインが作ったデータはコピーの対象外になること。もう1つは、一部のファイルでは URL の置換がされない場合があることです。
置換されなかった場合は、手動で直すよう案内されています。次の章の確認は、この2つ目のためにやります。
コピーしたあとに確かめる
コピーが終わったら、サブドメインの URL でブログを開きます。筆者の場合は、記事も画像もそのまま表示されました。
実体験ヒント:サイトアドレスは自分で書き換えなくてよかった
コピーしたほうの WordPress にログインして、「設定」→「一般」を開いてみました。「WordPress アドレス (URL)」と「サイトアドレス (URL)」は、どちらもサブドメインの URL に変わっていました。データベースの中の URL も置き換わっていて、記事の中のリンクや画像も新しい URL を指していました。
WordPress を別の URL に引っ越すときは、この2つを自分で書き換えたうえで、記事の中の URL を置換プラグインで直すのが普通です。その手間がかからないのが、この機能のいちばんの利点だと感じました。
置換漏れがないかは、ブラウザでページのソースを表示して探すのがいちばん早い方法です。サブドメインのページを開いて Ctrl+U(Mac は Command+Option+U)でソースを表示し、Ctrl+F で元のドメイン名を検索します。何も見つからなければ、そのページに置換漏れはありません。
筆者のブログでは、トップページと記事ページのどちらにも元のドメインは残っていませんでした(2026年9月16日に確認)。見つかったときは、その URL がどこから出ているかで直し方が変わります。記事の中なら記事を編集し、テーマのロゴやヘッダー画像ならカスタマイザーで設定し直し、プラグインの設定に書いた URL ならその設定画面で直します。
チェックリスト:コピーしたあとに
- サブドメインの URL で、トップページと記事が開く
https://で開いて、証明書のエラーが出ない- 記事の中の画像が表示される
- ページのソースに、元のドメインの URL が残っていない
- 管理画面にログインできる(ログイン URL もサブドメインに変わっている)
- 「設定」→「一般」の2つの URL が、サブドメインになっている
- 「設定」→「パーマリンク」を開いて「変更を保存」を押した(
.htaccessが作り直される) - サイトマップ(
/wp-sitemap.xmlなど)の URL が、サブドメインに変わっている
注意点:同じブログが2つ動いている状態になる
コピー元のブログは、そのまま残ります。独自ドメインを Worker に渡すまでは、https://example.com/ と https://blog.example.com/ で同じ内容のブログが開きます。
この間に記事を書いたり直したりするなら、サブドメイン側だけを更新します。元のブログを更新しても、切り替えたあとには出てきません。
コピー元をいつ消すかは、切り替えが終わって、サブドメイン側で困っていないと分かってからでかまいません。筆者はまだ残しています。念のためのコピーとして置いておきたいのと、前のサイトの中身を自分で見直したいからです。消す前には、サブドメイン側のバックアップが取れているかを確かめておきましょう。
独自ドメインを Worker に渡すときに気をつけること
ブログを移し終えたら、独自ドメインを Cloudflare Workers に割り当てる作業に進みます。このとき、サブドメインについて3つ気をつける点があります。
1つ目は、DNS です。ネームサーバーを Cloudflare に変えると、名前解決は Cloudflare のレコードを見て行われます。サブドメインの A レコードを Cloudflare にも作っておかないと、ブログが開かなくなります。エックスサーバーの IP アドレスを指す A レコードを、プロキシを使わない「DNS のみ」で作ります。ワイルドカード(*)の A レコードをエックスサーバーに向けて残してある場合は、それでも解決されます。
くわしい手順Cloudflare Workers で独自ドメインを使うには?ムームードメインのまま、メールはエックスサーバーに残す方法ムームードメインで取得してエックスサーバーで使っているドメインを、Cloudflare Workers のサイトにつなぐ方法を解説します。ドメインは移管せず、メールはエックスサーバーのまま使い続けるための DNS レコードの写し方と、www なしで公開する設定まで紹介します。
2つ目は、SSL です。サブドメインの証明書は、エックスサーバーが発行したものがそのまま使われます。筆者のサブドメインも、ネームサーバーを Cloudflare に変えたあとで確かめました。エックスサーバーが発行した Let’s Encrypt の証明書で、問題なく開けています(2026年9月16日に確認)。
注意点:証明書の更新は、まだ確かめられていない
無料独自 SSL の自動更新について、マニュアルは「設定ドメインのネームサーバーもしくはDNSレコードがエックスサーバーを参照していない」場合は失敗すると書いています。ネームサーバーは Cloudflare、A レコードはエックスサーバー、という今の状態がこれに当たるかどうかは書かれていません。
筆者の証明書はまだ更新の時期を迎えていないので、更新できるかは確かめられていません。更新に失敗したときは、サーバーパネルの「SSL設定」で「他社ネームサーバーでのDNS認証」を選び、表示されたレコードを Cloudflare に追加します。証明書の有効期間は90日で、更新は期限の30日前から試されます。期限が近づいたら、一度ブラウザで開いて確かめておくと安心です。
3つ目は、古い URL です。https://example.com/hello-world/ のような独自ドメイン直下の記事 URL は、切り替えた時点で Worker の 404 ページになります。サブドメインへの転送は、自動では起きません。
転送するかどうかは、移したブログをこれからも人に読んでもらうのか、自分用のコピーとして残すだけなのかで決めます。ブログを続けるなら、これまで読まれてきた URL をつなぎ直す意味があります。自分で見返すだけなら、転送はいりません。
決めるのは、切り替えと同じタイミングです。旧 URL が 404 を返している間に、そのページは検索結果から外れていきます。外れてから転送を設定しても、落ちた評価が戻るとは限らないので、あとから思い立って設定するのは効果が薄いと筆者は考えています。
転送する場合は、切り替える前に Worker 側の public/_redirects を用意しておきます。[旧パス] [新しい URL] [ステータスコード] を1行ずつ書くファイルです。ステータスコードを省くと 302(一時的な転送)になってしまうので、301 と書き添えます。Cloudflare のドキュメントによると、* を使わない静的な転送は2,000件まで書けます(2026年9月16日に確認)。
記事の数が多いと、URL を1つずつ書き出すのは骨が折れます。サブドメイン側の WordPress が出しているサイトマップから一覧を作るところまで、Claude Code に任せてしまいましょう。
エックスサーバーで動かしていた WordPress を、独自ドメイン直下からサブドメインに移しました。
旧 URL から新 URL への 301 転送を、このリポジトリの public/_redirects に追加してください。
- 旧 URL:https://example.com/パス
- 新 URL:https://blog.example.com/パス(パスは変わっていません)
- 転送する URL の一覧は https://blog.example.com/wp-sitemap.xml から取得してください
- 1行ずつ「/パス https://blog.example.com/パス 301」の形式で書く
- ステータスコードは 301 を必ず書く(省略すると 302 になるため)
- このサイトが公開しているページの URL とぶつかる行は書かない
- 追加したら npm run build が通るか確認し、まだ push はしないでくださいexample.com と blog.example.com は、自分のドメインに置き換えてください。_redirects の書き方そのものは、Astro に移行した記事の「実体験ヒント:記事の URL を変更した際のリダイレクト設定」でも触れています。
筆者のサイトでは、転送しないことにしました。サブドメインのブログは、これから記事を足していくものではなく、自分で見返すために残しているからです。
あわせて読むサンプルサイトを Astro に移行して Cloudflare で公開するまでHTML だけで作ったサンプルサイトを静的サイトジェネレーター Astro へ移行し、Cloudflare Workers で再公開するまでの最短手順と、Next.js・Hugo・11ty との比較を解説します。
まとめ
エックスサーバーの独自ドメイン直下で動かしている WordPress は、サーバーパネルの2つの機能だけでサブドメインに移せます。「サブドメイン設定」でサブドメインを追加し、「WordPress簡単インストール」のコピー機能で複製します。記事の中の URL まで書き換わるので、引っ越し作業でいちばん面倒な部分がありません。
移すのは、ネームサーバーを Cloudflare に変える前がおすすめです。エックスサーバーが DNS を持っているうちなら、サブドメインを追加するだけで開けるようになり、無料独自 SSL もそのまま発行されます。コピー元のブログは残るので、サブドメイン側を確かめてから、落ち着いて次に進めます。
次に読むCloudflare Workers で独自ドメインを使うには?ムームードメインのまま、メールはエックスサーバーに残す方法ムームードメインで取得してエックスサーバーで使っているドメインを、Cloudflare Workers のサイトにつなぐ方法を解説します。ドメインは移管せず、メールはエックスサーバーのまま使い続けるための DNS レコードの写し方と、www なしで公開する設定まで紹介します。